先日の記事の後、読み続けていた司馬遼太郎著『世に棲む日日』。3巻と4巻を読み終えたので高杉晋作について考えて見る。
明治維新に至る大きな原動力のひとつは長州藩にあったということ
『世に棲む日日』を読んで自国の歴史に対する見識の浅さを感じた
さて、やっと読み終えました。司馬遼太郎著『世に棲む日日』。全4巻というボリュームなのだけど、とにかく文字がびっしり入っているという印象の4冊。
司馬さんの本は文字が多いと思う事は良くある。でもその中でも「文字多いなぁ~」と読みながら思ってしまうぐらいの量。だからといって飽きるとかではなく、読み応えがある内容なので最後まで読破!
まず、前回の『世に棲む日日』(一)、(二)、さらに前々回の『最後の将軍』も含めて感じたこと。
いや~、俺って明治維新前後のこと何にもわかってねぇ~(—;
ということ。何となく思い返せば、某ゲームメーカーの『信長の野望』シリーズが好きだったから、戦国時代ぐらいまでは学習していても楽しかったのに、江戸時代に入ると興味を失ってしまった歴史の授業。
それがもろに出ている僕の歴史観(笑)。『最後の将軍』も含めた5冊を読んで一番感じたのはそういうこと。
そしてあらためてこの5冊を読んで幕末~明治維新の大きな流れは長州藩が絡んでいたということを知る。ほんとビックリ。そうなんだ~。長州藩、やるな!という感じ。
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高杉晋作の格好良さはどこにあるのか?
高杉晋作を知りたくて読み始めた『世に棲む日日』
もともとこの『世に棲む日日』を読み始めた理由が、テレビ番組でいい年齢のおじさん達が「幕末で一番格好いいのは高杉晋作」と声を揃えて言っているのを見たから。
高杉晋作と言われても名前ぐらいしか分からない僕にとって、格好いい男であるというフレーズはかなりの興味が湧いた。
なんせその時はちょうど『最後の将軍』を読んで、へたれ将軍と思っていた徳川慶喜が実はとても格好いい、優秀な人物だったということを知り、慶喜ラブだった自分。
そこに徳川慶喜の敵役になる長州藩の高杉晋作が格好いいなんて、この目でその男を見極めないと気が済まない!そんなことから読み始めたのがこのシリーズ。
高杉晋作の格好良さはきっと男でないと分からない
シリーズを読み終えて、じゃあ、僕から見て高杉晋作は格好いい男なのか?ということを考えると・・・格好いい!でも、この格好良さは男でないと分からない気がする。
【高杉晋作の格好良さ5つ】
- 時流を読む力が半端ない
- 権力にこびない、執着もない
- 親と藩主はとても大切にする
- 好きな事をしてそれを貫く度胸がある
- 人がどうかではなく、自分がどうかを考えている
こんなところだろうか。これに加えて女好き、酒好き、詩好きというところが彼の人間としての魅力を増していると個人的には思う。その辺りは女性からは?になるかもしれない。
高杉晋作という漢
好きなこと、やりたいことに情熱を注ぐこと
そして読み終えて思うのは高杉晋作とは”漢(おとこ)”だということに最大の魅力があるのかも知れないということ。それが現代の日本人男性から見ると格好いいとなる。
その背景には高杉晋作が「好きなこと、やりたいことに情熱を注いだ」ということがある。
何かを成し遂げるには好きなことややりたいことをやる!
これが鉄則なんだろうなと思う。その代表例がこの高杉晋作になる。
吉田松陰から始まる長州藩の流れ
この『世に棲む日日』、司馬遼太郎氏が描きたかったのは吉田松陰、そして吉田松陰が影響を与えた男達が起こした革命という事なのかもしれない。
だからこそ、高杉晋作というすごい人物を描くのに外せない吉田松陰から描きはじめ、高杉晋作の生涯を閉じるところで革命家たちの話しにひとつのピリオドを迎える流れにしている。
もちろん、この後、伊藤博文や山縣有朋がさらに活躍していくわけだが、革命後の話しと位置づけているのだろう。
『世に棲む日日』は漢達(おとこたち)の物語。漢に憧れる男なら読んでみる価値は十分にある。
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