司馬遼太郎

司馬遼太郎著『世に棲む日日(一)、(二)』 吉田松陰に見る行動力と信じる心から生まれる力

yonisumuhibi

こんにちは。七転びです。
読書の秋ということもあって、最近は読書にも時間を掛けています。先日、司馬遼太郎著『最後の将軍』を読んでから、久々に司馬さんの作品にはまりました。マイブームです(笑)

影響を受けやすい僕は『最後の将軍』を読んでいるうちに、今まであまり好きでなかった徳川慶喜のことを好きなりました。司馬さんは人たらしであったという話しを聞いたことがあります。それも作品を読むと納得できますよね。主人公を含めて、人物がいきいきと描かれている。

人たらしだからこそ、それぞれの人物をその当時の言葉を借りて批評らしき事を書くことがあっても、痛烈に批判するような書き方が無い。人間好きだからこそ書ける内容だと毎回思うんです。だから表現が難しくても好き。司馬さんの作品は。

さて、今回は『世に棲む日日』。合計4巻からなる歴史小説で主人公は前半が吉田松陰、後半が高杉晋作。だいたい2巻の途中ぐらいまでが吉田松陰です。

この本をなぜ手に取ったかというと『最後の将軍』読了のあと、「徳川慶喜すげぇ~」となっていた僕の前でNHKだったかのTV番組で幕末の研究家・専門家を名乗る出演者の数人が「幕末と言えば一番格好いいのは”高杉晋作”でしょう」と声を合せて言うんです。

坂本龍馬ならあり得そうだったのに、僕にとって名前を聞いたことがあるぐらいの感覚の人物、高杉晋作が一番という一同の答え。

徳川慶喜派の僕としては黙っていられません。高杉晋作がどれだけの男なのか見極めようではありませんか!ということで、司馬さんならどう描くかを読んでみようと思い書店に直行しゲットしてきたのです。

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吉田松陰もすごい人物だったと知るに至る

高杉晋作を語るには吉田松陰からということか?

さて、高杉晋作と徳川慶喜、どちらが真の男なのか?(笑)

それを見極めるために本書を買ってきたのですが、高杉晋作が登場する前の物語の主人公は吉田松陰という設定。みなさん、吉田松陰って知ってますか?

【本書を読む前の七転び的な知識】
吉田松陰とは:なんか歴史の教科書で出てきたことがあるような気がする。でも、何した人?(笑)

こんなもんでした。恥ずかしながら。ただ、司馬遼太郎さんの本で高杉晋作を知りたいと思ったら『世に棲む日日』になるし、まさか1巻を飛ばして読むわけにもいかないし(笑)。ひとまず吉田松陰から読むことが高杉晋作を知る上で大切なんだろうと思い読み進めました。

吉田松陰とはどんな人なのか?

それで2巻まで読み終えて先に吉田松陰についてまとめておこうと思い、ブログを書いています。

【本書を読んだ後の七転び的な知識】
吉田松陰とは:信じた事を貫き、行動するエネルギーのある人物。人を簡単に信じてしまう長所であり短所があり、その事によって与えた影響力は大きい。一方でまっすぐ、不器用な生き方しか出来なかった人。

2巻まで読了後はこんなになりました。とにかくすごいエネルギーの人だったんだろうなと。

軽信で不器用だからこそファンも多かったのではないか

人たらしだからこそ多少の無理でも周りは動く

吉田松陰について僕が語るのはおこがましいですが、本書にもたびたび松陰は「軽信」だったということが書かれている。人を簡単に信じてしまうということ。これによって罠にはまることもある松陰。それでも最後まで軽信でまっすぐな生き方だった。

人を簡単に信じると言うことはだまされるということでもある一方、信じて貰った人には絶大な力が与えられる。そんな人物にまっすぐさと行動力が加わったら、やはりファンも多くなる。ファンという言い方ではないまでも門下生が彼を慕っていたのも頷けるし、そういう人のお願いだからこそ周りもかなえてあげたくなる。

ある意味で松陰も”ひとたらし”だったと言えるのかもしれない。

維新流れを作った人物の1人

松陰は最終的に安政の大獄の時、斬首刑となっている。ただ、それまでに関わり影響を与えた人物は多く、高杉晋作をはじめ伊藤博文も松陰の私塾の塾生であると知り、自分の歴史認識の浅さをこの本で知った。

享年30という若さで生涯を終えながらも、持ち前の気質とパワーで人々に残したものが大きい。きっと3巻、4巻と読み進めると松陰が残したものがどうなっていくのか、より理解が深まるのだろう。

本書に描かれる吉田松陰という人物を通じて、まっすぐで不器用な生き方の影響力、格好いいとはまた違う男のあり方を感じた。正直者が好きな僕の好みの人物だった。また、3巻、4巻を読み終えた後、高杉晋作とともに内容をまとめてみたい。

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